立教大学の山口先生からの提言

新着情報 : 2014年5月26日

1人の学者からの呼びかけです。(2014.5.25)

中小企業向け実質増税に反対しましょう!

現在、政府税調では、以下のような中小企業に対する実質増税策が検討されています。

①中小企業の法人所得800万円までの部分に適応されている
軽減税率15%を取りやめ、大企業と同じ25.5%に引き上げる!

②資本金1億円以下の中小企業も外形標準課税の対象にし、
赤字の中小企業からも税金を徴収できるようにする!

③減価償却制度の定率償却方式を廃止し、
設備投資後の早い時期に収める税金を重くする!

④繰越控除制度を縮小し、
今期の黒字を前期の赤字と相殺して納税を減らすことを抑制させる!

⑤中小企業経営者の給与所得控除を大幅に引き下げるなど、
中小企業の「節税策」を封じる!

これらは法人税の実効税率を引き下げるために、
その「財源」を捻出しようとしてなされる制度変更です。
「法人税を下げてくれるのなら、
上記の税制変更があってもわが社は得になるからOKだ」
という経営者も、たしかにいらっしゃると思います。

しかし、私はこうした処置に理不尽を感じざるをえません。

たとえば円安による材料高や燃料高のために
赤字に陥ってしまった中小企業の経営者に対して、
「我々儲かっている企業の税金を安くするために、
君たちは赤字であっても税金を支払うべきだ」と
説教をすることが、正当だとはとても思えないからです。

また、「定率法を活用して早目に減価償却を進めて、
次期の投資のために資金力をつけておこう」
とする中小企業に対して、
「そんなことはしなくていい。
法人税を下げるための税源が必要なんだから、
減価償却のスピードを落としてでも
税金を払いなさい」と促すことが、
正しい成長戦略だとはおよそ思えないからです。

大田弘子座長は、中小企業に限った政策減税は
「収益力が低い企業が存続し、産業の新陳代謝が阻害される」
と述べたと伝えられています。
しかし、身の丈の小さい中小企業は
そのこと自体で競争上の不利を背負っており、
経営も不安定にならざるをえません。
優遇税制などでその不利を是正することは、
大小様々な企業が参加し対等に競争しあう、
活力ある経済社会をつくっていく上では
むしろ必要不可欠なのではないでしょうか。

中小企業経営者の皆さん、
これは皆さんご自身の会社経営に大きくかかわる問題であると同時に、
日本経済の将来にもかかわる問題です。

「株価対策でしかない」と指摘されている法人税減税のために、
中小企業の活力を奪うような税制変更がなされる
――それを「見て見ぬふり」をしていていいのでしょうか。

私は日本の将来のために、
中小企業経営者や中小企業団体が
今こそ「反対」の声を上げるべきだと思うのですが、
いかがでしょうか。

立教大学教授、
中小企業サポートネットワーク[スモールサン]主宰、
山口義行

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